沖縄には危険な生き物がいるって聞いたけど、どんなのがいるの?
今回は陸と海、両方の危険生物をご紹介するのだ!
海や川遊びは気持ちが良くて最高!でも、身近なところに危険な生き物達が暮らしているんです。
もしも、噛まれたり、刺されたりしたら、最悪の場合、命の危険さえも。
私も小学生のとき、浅瀬にいる「オニヒトデ」を触ろうとした経験があります。危険だと知らずに。
この記事では、沖縄の海や川に行くなら絶対に身につけて欲しい「危険を回避するための知識について」書きました。
この記事を読むと、沖縄にいる危険生物の特徴・被害ケースを知ることができます。
YouTuber「平坂寛」さんが、身体を張った貴重な実験動画を貼っておきます。※絶対に真似をしないでください。
陸の危険生物はこちら
- ハブ
- スズメバチ
- アブ
- ブヨ
- アフリカマイマイ
- ムカデ
❶ ハブ
ハブは沖縄にいる猛毒をもつヘビです。特徴は「 三角形の頭・細かいウロコ・黄色に黒の模様 」
非常に攻撃的な性格で、威嚇なしで襲ってくることもあります。
■ どんな場所にいるの?
日中は、穴の中や木陰のすずしい場所(木の上、草むら、岩陰、ブロックのスキマなど)に潜んでいます。
■ 活動時期は?
活動時期は1年中です。冬眠はしません。海水浴シーズンの6~8月頃が産卵期で、さらに攻撃的になっています。
■ 被害にあったケースは?
草刈りなどの作業中、山・森歩きをしているときに被害にあうケースがほとんどです。ハブに気がつかず自分から近づいてしまい、噛まれてしまっています。
■ 実例
2019年におきた県内のハブ被害は55件。目撃情報は1年間に約2万件あります。
■ 対策としては……
- ハブが見えないような草むらには入らない。
- ブロック近くや木の下で休憩するときは注意する。
- 石垣の穴や見えない場所には、手を入れない。
ハブについてYoutbueで確認する≫こちら
❷ スズメバチ・アシナガバチ
沖縄県内には、3種類のスズメバチがいます。ここでは本島内でよく見られる「 コガタスズメバチ 」についてご紹介します。
黄色と黒の見た目が特徴的なハチ。体調は2~3cm。
スズメバチの中ではおとなしい性格ですが、刺された時に起こるアナフィラキシーショックが危険です。
※アナフィラキシーショックとは?
アレルゲン物質が身体に入ることで起こる、重度の急性アレルギー反応のこと。
症状としては、意識レベルの低下や失神、血圧低下など。早急に治療をしないと、命にかかわることもあります。
■ どんな場所にいるの?
どこにでもいますが、背の低い木(1~2m)や軒下、岩壁などに巣を作ります。
■ 活動時期は?
活動時期は5〜12月頃。
■ 被害あったケースは?
気づかずに巣を刺激してしまったり、巣の近くを通ったりして、刺されてしまうケースがあります。
■ 実例
沖縄県内では、スズメバチによる死亡事例が過去に4件あります。
■ 対策としては……
- 巣に近寄らない
- 刺激を与えない、腕で振り払ったりしない(動くものに反応します)
- 頭を隠してゆっくりと離れる
- 白っぽい服をつける(黒いものを攻撃する習性あり)
- 近くで甘いジュースや果物、香水などを使わない(匂いに反応する)
スズメバチの詳細は≫こちら
❸ アブ
アブはハエに似た虫です。飛行速度が速く温度が高いものに集まる習性があります。
人間を刺すアブは少数で「吸血性のアブ」と呼ばれており、ひつこく追いかけてくるヤツもいます。
アブに刺されると、赤く腫れ、激しい痒みが2〜3週間続くことも。
吸血性アブの代表は「 アカウシアブ・ヤマトアブ 」がいます。
■ どんな場所にいるの?
川や水田などの湿地がある場所でよく見られます。
■ 活動時期は?
6〜9月にかけての被害が多く、活動時間は朝方と夕方です。
■ 対策としては……
- 虫よけスプレーを持参する
- 厚手の長袖をつける(薄いと貫通することも)
- 白っぽい服をつける(赤や黒色にあつまりやすい習性がある)
- 身体を動かして刺されないようにする。
- 身体に止まったら素早く叩き潰す。
アブの写真は ≫こちら
❹ ブヨ(ブユ)
ブヨは体長1~5mmほどの小さな虫です。蚊のように刺すというよりは、小さく噛みきって血を吸います。
噛まれても気にならない体質の人もいますが、ひどい場合は腕まで広がることもあります。
■ どんな場所にいるの?
水辺に生息しています。
■ 活動時期は?
3〜10月にかけて活動し、夏場は気温の低い朝と夕方に活発に行動します。
■ 対策としては……
- 虫よけスプレーを持参する。
- 肌を露出しない。
- 白っぽい服をつける(赤や黒色にあつまりやすい)
❺ アフリカマイマイ
アフリカマイマイは、巨大なカタツムリのような見た目の生き物です。大きさは世界最大級で5~20cm。
身体には寄生虫「広東住血線虫(かんとんじゅうけつせんちゅう)」がいます。
この寄生虫に感染すると、約1~2週間の潜伏期の後、激しい頭痛、発熱、知覚異常等の症状が出ます。
触っただけで感染するわけではないので、不用意に怖がる必要はありませんが、好奇心の強い子供が触らないように注意が必要です。
■ どんな場所にいるの?
沖縄全域で見られ、草むらや日陰の湿った場所を好みます。
■ 活動時期は?
活動時期は年中です。主に夜間に行動していますが、昼間でも普通に見かけます。
■ 実例
2000年に日本で初めての死亡例が報告されています。
■ 対策としては……
- 触らない。
- もし誤って触ってしまった場合はよく手を洗う。
- 生野菜などを食べるときもきちんと洗う。
広東住血線虫についての詳細は≫こちら
❻ ムカデ
ムカデは足がたくさんある生き物。毒を持っています。
ムカデに噛まれると、激痛・腫れ・しびれ・めまいなどの症状が起こる可能性があります。
ハチと同じくアナフィラキシーショックを起こすこともあるので、とても危険です。
アナフィラキシーショックについては「❷ スズメバチ・アシナガバチ」で解説しています。
■ どんな場所にいるの?
暖かく湿った場所にいて、日中は石の下や落ち葉の下に隠れています。
■ 活動時期は?
夜行性で、5~6月頃が繁殖時期です。
■ 対策……
- 裸足で踏まないように注意する。
- 石の下や落ち葉を手で触らない。
- 見つけてもいたずらしない。
海の危険生物はこちら
- サメ
- ハブクラゲ
- ゴンズイ
- イモガイ類
- カツオノエボシ
- オニヒトデ
- ウミヘビ
- ミノカサゴ
- オニダルマオコゼ
- ガンガセ
❶ サメ
基本的に人間を襲うことは少なく、映画で見るような凶暴性はありません。ここでは「人食いザメ」と呼ばれる3種類のサメについてご紹介します。
- オオメジロザメ
- イタチザメ
- ホホジロザメ
■ どんな場所にいるの?
石垣島、宮古島での目撃情報が多い。その中でもオオメジロザメは浅い場所や川にも入り込むため、遭遇の可能性が高いサメです。
那覇市を流れる国場川(こくばがわ)でも、大メジロザメの幼魚が確認されています。
■ 活動時期は?
早朝、夕暮れに狩りをすることが多い。
■ 被害にあったケース
サーフィン中やダイビング中の被害が報告されています。
■ 実例
2017年10月、石垣島で行方不明になった男女のうちひとりがサメに襲われた可能性あり(日経新聞)
■ 対策……
- 出血したら海から上がる(嗅覚がすごい)
- 背中を見せない。
- バシャバシャと泳がない(獲物と勘違いされるため)
❷ ハブクラゲ
ハブクラゲは、半透明で長い触手に毒を持つクラゲです。海中だと背景と一体化して、非常に見えにくいのが特徴です。
触手には強い毒を持っていて、刺されると、激痛、ミミズ腫れなどの症状がおこります。
■ どんな場所にいるの?
被害報告が多い場所は、波の穏やかな砂浜や人口のビーチ、入り江などです。水深が20〜30cmの浅いところでも刺される被害があり。
■ 活動時期は?
6〜9月に多く見られます。
■ 被害にあったケース
2023年8月、名護市のビーチでハブクラゲに刺された7歳の女の子が、一時意識不明。(沖縄テレビ)
■ 実例
沖縄県内では過去に、3件の死亡事例が報告されています。
■ 対策
・ハブクラゲ侵入防止ネットの中で泳ぐ。
・肌を露出しない。
❸ ゴンズイ
ゴンズイは体調が10〜20cmの小さなナマズのような魚。画像のように、集団で泳いでいる姿がよく見られます。
胸ビレと背ビレに強い毒をもっていて、刺されるとヤケドをしたような強烈な痛みが走ります。
死んでも毒が残っているので、間違って踏まないように気をつけましょう。
■ どんな場所にいるの?
夜行性で、日中は石の下やテトラポットの隙間などにいます。
■ 活動時期は?
6〜9月にかけてよく見られます。
■ 実例
沖縄県によると、2023年ゴンズイによる被害は3件報告されています。
■ 対策
見つけても近寄らない。
❹ イモガイ類
イモガイは貝殻の色や模様が綺麗で美しい貝ですが、強力な毒を持っています。
その中でも特に強い毒性を持つ「アンボイナ」は、沖縄では「ハブ貝」と呼ばれています。
刺されてもほとんど痛みはありません。身体のシビレがあり、最悪の場合、命に関わります。
■ どんな場所にいるの?
サンゴ礁の周辺や砂浜など、人目につく場所にいることが多い。
■ 活動時期は?
不明
■ 被害にあったケース
砂浜で貝殻集め、潮干狩りをしているとき、貝集めをしていたダイバーが刺されてしまったケースがあります。
■ 実例
沖縄県衛生環境研究所によると1896〜1996の間に30件ほどの被害が報告されています。
■ 対策
砂浜や海中に落ちている貝を不用意に拾わない。
イモガイについての詳細は ≫こちら
❺ カツオノエボシ
カツオノエボシは、きれいな青い浮袋が特徴的な生き物。クラゲの仲間です。
触手に強い毒を持っていて、死んだ後もしばらく毒が残っています。砂浜などで見つけても触らないようにしましょう。
■ どんな場所にいるの?
泳ぐ力は無く、水面付近を漂っていることが多い。
■ 活動時期は?
活動時期は春〜夏頃、台風の後には、砂浜に打ち上げられていることがあります。
■ 被害にあったケース
ビニールと勘違いをして、触って刺されてしまったり、砂浜に打ち上げられているものを踏んでしまったりなどの被害が報告されています。
■ 実例
沖縄県によると、2023年は3件の被害が報告されています。
■ 対策
見つけても触らない。
❻ オニヒトデ
オニヒトデは体調10〜15cmのカラフルなヒトデです。見た目は、青・灰色・オレンジ色をしています。表面にあるたくさんのトゲに毒があります。
刺されてしまうと、腫れや発熱、強烈な痛みがあり、数日間つづくこともあります。アナフィラキシーショックを起こす危険性も。
■ どんな場所にいるの?
岩陰に隠れていることが多いです。
■ 活動時期は?
6〜7月が繁殖期。夜行性です。
■ 被害にあったケース
ダイビング中に誤って触ってしまった。オニヒトデの駆除中に触ってしまった。
■ 実例
2012年4月、宮古島市でダイビング中に女性が刺され意識不明。
■ 対策
見つけても触らない。遊泳中、足をつくときに確認する。
❼ ウミヘビ
ウミヘビは猛毒を持つ危険生物です。噛まれると運動障害・呼吸困難・麻痺などの症状があり、最悪の場合、命の危険性もあります。
性格は比較的おとなしく、自分から噛みつきにくることはほとんどないとされています。陸に上がり岩影などに隠れているタイプもいます。
沖縄で見られる海ヘビは、次の9種類
- エラブウミヘビ
- ヒロオウミヘビ
- クロガシラウミヘビ
- イイジマウミヘビ
- アオマダラウミヘビ
- セグロウミヘビ
- マダラウミヘビ
- クロボシウミヘビ
- トゲウミヘビ
太字のものが遭遇しやすい海ヘビです。遭遇しても慌てずに素通りするのを待つか、ゆっくりと離れましょう。
沖縄県公害衛生研究所によると、県内のウミヘビによる死亡事例は5件あります。
ウミヘビの目撃情報は年中です。
❽ ミノカサゴ
ミノカサゴは、背ビレと臀ビレ、腹ビレの棘に毒腺を持つ魚です。単体での行動が多く、海底でじっとしていたり、海中をゆっくりと泳いだりする姿がよく見られています。
ミノカサゴから攻撃してくることは基本的にありませんが、ひつこく追いかけたりしないようにしましょう。怒って突進してくることもあるようです。
刺されると、激痛・吐き気・頭痛などの症状が報告されています。
被害としては、遊泳中にぶつかってしまったり、ダイビング中に手で触ってしまったりなどのケースがあります。
❾ オニダルマオコゼ
オニダルマオコゼは、背びれや胸びれのトゲに毒を持つ魚。砂の中に半分だけ身を隠し、海底でじっとしていることが多い生き物です。
活動時期は年中。浅い珊瑚礁や岩礁域に広く生息していて、水深10㎝程の浅い場所でも目撃されています。
砂や岩礁に擬態していて非常に見つけづらく、棒などで突いても逃げないやつもいるようです。
刺されると、腫れや痺れを伴った激しい痛み・吐き気や嘔吐・ひどい場合は、呼吸困難や血圧低下・アナフィラキシーショック・意識喪失・最悪の場合、死亡するケースもあります。
被害としては、浅瀬を歩き回っているときに踏んでしまった。岩と間違えて触ってしまったなど。
対策
- 浅瀬で歩き回らない
- 靴底のしっかりしたマリンブーツを履く
- 浮き輪やライフジャケットをつける。刺されたときの連絡先を確認しておく
❿ ガンガセ
全身から生える長いトゲが特長的なウニ。トゲは本体の3倍ほどの長さがあるので、一目でガンガセと分かります。
トゲの先端には毒があり、刺されると激しい痛みに襲われます。触れただけでも簡単に刺さってしまう鋭さで、ウエットスーツやグローブも貫通してしまいます。
トゲか刺さると体内で折れてしまうことが多く、簡単には抜けません。
岩礁地帯に多く見られます。
活動時期は、沖縄では4〜10月が産卵期です。
被害ケースは遊泳中に踏んづけてしまったり、岩場に手をつく際に刺されてしまうことがあります。
対策
- 岩場に手をつくときは安全を確認する。
- 海底に足をつけるときは安全を確認する。
⓫ ヒョウモンダコ
ヒョウモンダコは大きさは10センチほどの小型のタコ。平常時には茶色っぽい色で、岩や海藻に擬態しています。
刺激を受けると「黄色い身体、青い線や紋様」に変化します。
唾液にはフグと同じ強力な神経毒テトロドトキシンを持っていて、噛まれると痙攣や呼吸困難を引き起こします。
生息場所は、浅い海の岩礁、サンゴ礁、砂や小石まじりの海底です。
具体的な活動時期はありませんが、水温が10℃以下になると、活動できずに死んでしまうようです。沖縄の平均水温は20℃以上なので、1年中遭遇の可能性があると考えておきましょう。
被害にあったケースは、ちょっかいを出して噛まれた、岩場や砂浜に手や足をついた際に噛まれてしまったなどです。
沖縄県によると、2021年のタコ類による被害は1件です。
https://www.pref.okinawa.jp/site/hoken/eiken/eisei/documents/2021kaiyohigai.pdf
■対策
- 小さなタコを見つけたら触らない
- 岩場や砂浜に足をつくときは安全を確認する⓬
⓬ ウミケムシ
全身を細い毛で覆われたケムシ。体調は10〜20cm、毛には毒があり、人の指なら簡単に刺さるほどの鋭さです。
刺さった毛は、ケムシから抜けて幹部に残ってしまいます。刺されると痛みとともに赤く腫れて炎症が起こります。
ウミケムシは夜行性で、夜間は灯りに向かって泳ぐ習性があります。また、肉食で釣り餌に食いつくこともしばしば報告されています。
日中は海底の砂浜にいることがほとんどですが、泳ぎも得意で遊泳していることもあります。
海水浴中に謝って踏んでしまうケースや砂浜に打ち上げられていたものを踏んでしまうケースがあります。
沖縄県によると2020年のウミケムシによる被害は1件あります。
■対策
- 海底に足をつくさいに確認すること。
- 砂浜を歩くときは注意すること。
⓭ ウンバチイソギンチャク
円盤状の形をしたイソギンチャクです。大きさは15~25㎝ほど。世界のイソギンチャクの中でも最も強い毒を持つと言われいます。体の表面に毒液がつまった毒針が無数にあります。
刺されてしまったら、吐き気をともなう激痛。1ヶ月以上の入院が必要になることも。岩やサンゴに海藻に擬態していて非常に見つけにくいのが難点です。
■ どんな場所にいるの?
サンゴ礁のある浅い海(イノー)で、岩の側面やサンゴの根本付近にくっついていたり、砂に埋まっている。
画像は≫こちら
■ 活動時期は?
不明
■ 被害にあったケース
潮干狩りや磯遊びをしているとき、シュノーケル中に間違って触れてしまった。海藻と間違えて触れてしまった。
■ 実例
沖縄県によると、2023年のウンバチイソギンチャクによる被害は1件報告されています。
■ 対策
- ラッシュガードをつける
- 素足で歩かない
いざというときの応急措置について
「ニライ消防本部」公式HPをご覧ください≫こちら
まとめ
沖縄の危険生物(海・陸)をご紹介しました。
「 全部知っていたよ! 」というあなたは、安全対策バッチリの沖縄危険生物マスターです♪
友人や家族とお出けするときに、ひとりでもこの知識を持っている人がいれば、悲しい事故や怪我を防ぐことができるかもしれません。
山、川、森、海、ビーチへお出かけ時には、危険生物についての情報をみんなに共有しましょう。
平坂寛さんが出版する本「刺された! 噛まれた! 危険・有毒虫図鑑 」がAmazonで発売されています。
「自分が実際に体験したことだけを書く」というこだわりを持って執筆した書籍。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
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