シネマティック Vlogを撮影したいけれど、何からはじめたらいいのか分からない。
そんなお悩みはありませんか?
私もシネマティックVlogを作ろうと決めてから、たくさんの壁にぶつかりました。
撮影機材はどうしたらいいのか?撮影するときに注意することは?何を参考にすればいいの?
本やYouTube、ブログ、有料スクールなどで勉強して、動画を作り続けてきました。
動画初心者だった私ですが、嬉しいことにYouTubeの登録者100名を達成するまでになりました。
この記事では、私が3年ほど学んできた知識や実践経験から、シネマティックVLOGの撮影ポイントを解説します。
この記事を読むと、初心者の方でもシネマティックVLOGに必要な、魅力的な映像を撮影できるようになります。
また、基本を押さえることで、上達のスピードも格段に上がります。
方法は、この記事に書かれた基礎をしっかりと実践するだけ。下記のような動画が撮影できるようになります。
シネマティックVLOGに必要な機材
必要な機材は、最低限下記のもので大丈夫です。
- iPhone
- 自撮り棒
最近のスマホは、昔に比べ動画の画質が格段に良くなっています。
ミラーレスや一眼カメラが必要なんじゃないか?と考えている人もいるかもしれませんが、最初は必要ないと私は考えています。
自分がどんな動画を撮りたいのか?
「このカメラがないと、それを表現できない」
それが分かるようになったときに、本格的なカメラを購入すれば良いと思います。
自撮り棒(自立できるもの)
自撮り棒のある無しで、撮影の幅が大きく変わります。選ぶときのポイントは、自立できるかどうかです。
シネマティックな映像には、固定ショットがよく使われています。
固定ショットとは、カメラを動かさずに撮影すること。これが動画撮影の基本になります。
それでは、撮影のポイントを見ていきましょう。
動画撮影のポイント4つ
撮影は次の4つを意識しましょう。
- カメラアングル(カメラの向き)
- 距離
- カメラワーク
- 光
カメラアングル(カメラの向き)
カメラアングルの種類には、次のようなものがあります。
- 目線の高さから撮影(アイレベル)
- 下から見上げるショット(あおり)
- 上から見下ろすショット
- 俯瞰(ドローンショット)
目線の高さから撮影(アイレベル)
このショットでは、私達が普段見かけるような映像となるため、日常や安心感を感じさせることができます。
下から見上げるショット(あおり)
このショットでは、相手が上に見えることから、力強さや高圧的な印象、緊張感を感じさせることができます。
上から見下ろすショット
このショットは、相手の弱々しさを演出したり、悲しみを感じさせたり、相手よりも強い立場にいると伝えたいときに効果のあるアングルです。
俯瞰(真上からのショット)
ドローン撮影など真上や上空から見おろすような撮影のこと。鳥の目とも呼ばれたりします。
俯瞰ショットは、普段あまり見かけることのない映像となり、新鮮味を感じさせることができます。
距離
距離には大きく次の3つがあります。
- ロングショット
- ミドルショット
- クローズアップショット
ロングショット
ロングショットは、遠くから撮影する方法です。次の2つがあります。
- 場所全体を写したショット
- フルフィギュア(体全体が写っているショット)
ロングショットは、情報を伝えるためのショットです。
季節はいつ頃か?どんな場所にいるのか?周りの雰囲気はどんな感じか、被写体の位置関係はどうなっているかなどです。
ミドルショット
ミドルショットは中距離での撮影方法です。下記のような種類があります。
- ニーショット(膝から上)
- ウエストショット(ウエストから上)
- バストアップショット(胸から上)
- ショルダーショット(肩から上)
ミドルショットは、被写体を強調しつつ背景も映せる撮影方法です。
ロングショットでは遠すぎて伝えられない被写体の表情や動きを伝えたいとき。
登場人物が複数いて、クローズアップでは画面におさまらない場面に最適です。
画面の半分が被写体、背景となるイメージです。
クローズアップショット
クローズアップショットは、手や目、口元など、身体の1部分のみを拡大して撮影する方法です。
手元の細かな動きや、被写体がどんな感情なのかを伝えるためのショットです。
撮影する順番は
「ロングショット→ミドルショット→クローズアップショット」
ロングショットで撮影した映像に矛盾が出ないように、ミドル・クローズアップショットを撮影しましょう。
カメラの構える位置
距離と似たようなもので高さがあります。
- ハイポジション
- アイレベル
- ローポジション
■ハイポジション
ハイポジションとは、カメラを高い位置から撮影する方法です。手を上げて撮影したり、自撮り棒にカメラをつけて撮影します。
高い位置からのショットは、普段見慣れない映像となり、見ている人の興味を惹きつけることができます。
■アイレベル
目線の高さでの撮影方法です。人物を撮影するときは、基本的にアイレベルで撮影します。
相手の権威性や伝えたい印象によって、アングルを調整しましょう。
■ローポジション
カメラを低い位置に構えて撮影する方法です。足元を撮影したいときに使います。
動物や赤ちゃんを撮影するときは、カメラを被写体の目線の高さまで下げて、ピントは目に合わせるのが基本です。
目線を下げることで、普段は見られない彼らの視点からの映像が映せます。
その他
■被写体の位置
画面の右側には立場の強いもの、左側には立場の弱いものがいることが多いです。関係性がはっきりしているなら、意識しておきたいポイントです。
■立体感のある映像を意識しよう
映像というのは基本的に平面ですが、工夫することで立体感のある映像に見せられます。
方法は2つ
- 被写体の手前に前景を入れる
- 手前から奥に動くものを入れる
■被写体の手前に前景に入れる
手前に何かをいれることで、手前のものがボケ、被写体にピントがあり、背景という3つの距離感がつくれます。
それによって、2次元の映像に奥行きがあるように見せることができます。
■手前から奥に動いているものを入れる
例えば、歩いて行く人や車などです。手前から奥に動くものがあると奥行感が生まれ、立体的な映像に見せられます。
■影側からショットを撮る
影側から撮影することで、被写体の立体感をより強調することができます。
海外映像では、このショットが多く使われています。海外ドラマや映画をみるときは意識してみてくださいね。
カメラワーク
- ドリーイン(DOLLY IN)
- ドリーアウト(DOLLY OUT)
- リビールショット(REVEAL SHOT)
- パン(カメラを水平に動かす)
- ティルト(カメラを上下に動かす)
- スライダーショット
- オービットショット
- ウィップショット
- タイムラプス
- スローモーション
- フォーカス送り
- POVショット
ドリーイン(DOLLY IN)
前進する動きのこと。物語りのはじまりや高揚感を演出するときに使われます。動画のはじまりはドリーインがよく使われます。
ドリーアウト(DOLLY OUT)
後退する動きのこと。物語の終わりや悲しみなどを演出するときに使われます。動画の最後に入れると、終わり感を演出できます。
リビールショット(REVEAL SHOT)
映像の途中から、被写体が入ってくる撮影方法です。
新しい情報が入ってくることで、新鮮さや驚きを与えることができ、動画にインパクトを持たせられます。
パン(カメラを水平に動かす)
基本は広い景色などを見せるために使われますが、移動する人物の動きを追いかけたり、位置関係を説明したりする場合にも使われます。
カメラを左から右への動かすことを「パン」、右から左へ動かすことを「逆パン」と呼びます。
撮影時に気をつけることは2つ
- 撮影のはじまりと終わりは、カメラをゆっくりと動かすこと。
- カメラを動かせた先に見せたいものを登場させること。
ティルト(チルト)
ティルトとは、カメラを上下に動かす動きのこと。大きな建物を撮るとき、高い場所から下を見せたいときなどに使用します。
カメラを下から上に動かすことを「ティルトアップ」、上から下へ動かすことを「ティルトダウン」と呼びます。
ティルトアップは、細長い建物の大きさを見せたいとき、人物の衣装などを足元から見せたいときに使います。
ティルトダウンは、高い場所から足元に広がる景色を見せたいときに使います。
また、人の目線の動きを表現するときにも使われています。
スライダーショット
スライダーショットとは、真横にカメラを動かす撮影方法です。見せたい景色や被写体が徐々に出てくることで、目線を誘導できます。
オービットショット
オービットショットとは、被写体を中心にして回りながら撮影する方法です。
被写体を映しながら、周りの景色も一緒に見せたいときに使える方法です。壮大な景色を見せたいときなどに使ってみましょう。
ウィップショット
ウィップショットとは、カメラをムチのように振る撮影方法です。次の動画に繋げやすくなる撮影方法です。
タイムラプス
タイムラプスとは、早回し映像のことです。肉眼では見られない雲の流れや、星の動き、時間の経過を表現したいときに使用される撮影方法です。
スローモーション
スローモーションは、時間をゆっくりと見せるための撮影方法です。鳥の羽ばたきや、スポーツの決定的瞬間に使うと、映像が引き立ちます。
フォーカス送り
フォーカス送りとは、カメラのピントを撮影中に移動させることです。
手前の人物から後ろの景色にピントをあわせたり、喋っている人物が変わったときに、ピントをそこに合わせたりします。
ピント送りを使うと、動画が立体的に見え、臨場感が生まれます。
POVショット
物の視点から撮影する方法です。普段見られない視点からの映像なので、見る人に新鮮味を与えられます。
このショットがひとつあるだけでも映像の印象が変わるので、ぜひともチャレンジしたいショットです。
光
- 順光
- サイド光
- 逆光
- 反逆光
順光
被写体の正面から光があたっている状態です。ノッペリとした映像になります。
サイド光
被写体の真横から光があたっている状態です。被写体の半分に影ができ、カッコよさやクールな感じを演出するときに使います。
逆光
被写体の後ろから光があたっている状態です。柔らかな雰囲気を伝えたいときに使います。ペット動画や、赤ちゃんの撮影時に向いています。
反逆光
被写体の斜め後ろから光があたっている状態です。サイド光よりも柔らかく、逆光よりはカッコよさを残した撮影方法です。
食事を美味しそうに見せたいなら、反逆光で撮影しましょう。
美しく見える基本の構図
構図とは、決められた場所に被写体を置いて撮影する方法です。構図によって視聴者に与えられる印象を変えられます。
構図を決めるときは、次のことに気をつけましょう。
× 構図を決める → 動画を撮る。
◯ 自分が表現したいものがある → それをより伝えられる構図を当てはめる。
構図は自分の伝えたいことを、より表現するために使いましょう。それでは、構図の説明と、どのような印象を与えられるのか解説します。
2分割構図
3分割構図
空を見せたいときは、上3分の2が空、残りの3分の1は陸にするなど。
見せたいものの比率を大きくすることで、伝えたいことをより強調できます。
日の丸構図
迫力を出したいとき、ストレートな思いを伝えたいとき、見せたいものを明確にしたいときに使います。
人の目線は真ん中に集まりやすいため、カットを素早く切り替えたいときにも有効です。
シンメトリー構図
撮影するときは、意識してシンメトリーを探してみましょう。
額縁構図(がくぶち)
この画像では、トンネルで画面を囲うことで、画面の真ん中にある景色に視線を誘導しています。
動画の文法
文章を書くときに同じように、動画にも基本の文法があります。
❶いつ
❷どこで
❸だれが
❹どうした
❶ いつ
ロングショットでその場所の雰囲気が分かるよう、広い画角で撮影しましょう。
木々の紅葉や雪が降っていれば、おおよその季節(いつ)が分かります。
❷ どこで
一目で場所が分かる情報があれば入れます。
例えば、映像に富士山が映っていれば、日本だということが一目で分かりますし、森なのか、海なのか、どういう場所なのかが分かる映像を入れます。
この場所でこれから何かが起こるのだというのを見る人に伝えましょう。
❸ だれが
映像の主人公になる人物を出します。基本的には最初に登場する人物が動画の主人公である場合が多いです。
風景などがメインの場合は、必要ありません。
❹ どうした
上記で説明した場所で、登場人物が何をしているのかかが分かる映像を入れます。
景色を眺めたり、ご飯を食べたり、お散歩したりなど。
❶〜❹を繰り返して、ひとつの動画が完成します。
■ 撮影時の基本的なルール
- 被写体アップ映像の次のカットは、主観(被写体が見ているであろうもの)になる。
- 初めに登場する人物が動画の主人公。
- シーンは、ロングショットではじまり、ロングショットで終わる。
- 動画の右側は強いもの、左側には弱いものがいることが多い。
- 被写体を撮影するときは、陰側から撮ると良い。
似たような言葉が出てきたので、ここで用語解説をしておきます。
■用語集
ショット
撮影した動画のこと。
カット
撮影した動画を編集で切りわけたもの。
シーン
同じ場所、時間で連続した場面のこと。
シークエンス
一連の関連するシーン。動画のかたまりのこと。
動画撮影の注意点
■カメラを動かしすぎない
映像が頻繁に動いていると、何を伝えたいカットなのか分からず、意味のわからない映像だと視聴者に感じさせてしまいます。
基本は固定ショット。カメラを動かすときはひとつの方向を意識しましょう。
■ロングショットばかり撮らない
ロングショットは、広い画角で映せるため情報を伝えるショットとして使われます。
しかし、情報量が多すぎて、視聴者は何に注目したら良いのか分かりにくいのも特徴です。
ロングショットばかりが続くと、何を伝えたいのかがが分からないフワッとした映像になってしまいます。
■ズームは何か動作が起きたときに使う
ズームをする理由は、何かを細かく伝えたいときです。
何かを食べたときの美味しそうな感情や物の質感、細かい動きを見せたいときなど。
■オートホワイトバランスは使わない
色味が変わるため。ロックできる場所は、ロックすること。iPhoneの場合、画面を長押しすることで、ピントと露出を固定できます。
■手ブレに気をつける
意味を持たない手ブレは、動画のクオリティを下げてしまう原因になります。縦横にブレないように意識して撮影しましょう。
■30度ルール
ひとつの被写体を同じ距離で撮影するときは、角度を30度は変えて撮影するというものです。
同じようなサイズと角度で撮影したショットを繋げると、時間がジャンプしたような映像になってしまい、不自然に見えます。
ひとつのシーンでも、角度や距離が異なるショットを3つは撮影しましょう。編集のときに動画を繋げやすくなります。
まとめ
ご紹介した知識を実践するだけで、映像のクオリティが大きく変わります。
撮影時にどんなショットが撮りたいのか?そのためにはどんな構図やアングルが良いのか、思い出せるように、何度も見返して実践を繰り返しましょう。
「知っている」と「できる」の間には大きな壁があります。
上達する1番のコツは、学んだ知識を実践し繰り返すことです。
素敵な映像を撮影できるようになって、心に残る映像を造りましょう♪
次回は、シネマティック動画に必要な動画編集について解説します。ぜひともご覧ください。
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